【患者】50代前半、男性
【主訴】右手が左肩まで届かない、右腕を内側に動かすと激痛が走る
【既往歴】硬膜下血種、高血圧症
【現病歴】約5か月前にゴルフをラウンドで長時間プレーした。ゴルフプレーをしている時は何もなかったが、翌日から右肩に異様な痛みが発生したが、放置していたら軽減した。その後、約1か月後にもゴルフをしたが、その夜から夜間の激痛が始まった。日中でも痛みが発生し始め、右腕を内側に動かすと激しい痛みが発生するようになってしった。
近医整形外科に通院し投薬を約約1か月継続した。
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【現症】来院時、安静時でも右肩に痛みがあった。右肩関節自動関節可動域(以下、ROM)は水平屈曲約90°で右上腕骨小結節周辺に激痛が走る。右手で左肩のポケットに刺してあるペンを取ることができない。
【施術と結果】本症例は、右肩の水平屈曲時に発生する右肩関節周辺の痛みである。
右肩を水平屈曲した際、右上腕骨小結節周辺に激痛が発生している。安静状態で肩関節周辺を触察すると、右小胸筋周辺に硬結のような筋がある。右肩水平屈曲時に伸長されている肩部後方や肩甲骨周辺を触察するが、目立った緊張は触知されなかった。以上のことから右小胸筋周辺の筋緊張により痛みが発生していると仮定し、右小胸筋を施術個所とする。約1分、緩消法を行い硬結の弛緩を確認した。
右肩関節自動ROM、水平屈曲約90°で右上腕骨小結節周辺の痛みが10から0(NRS改変)と消失する。
右肩関節自動ROM、水平屈曲約100°で右上腕骨小結節周辺の痛みが発生するが、最初のような激痛ではないとのこと。痛みの減少・可動域の改善が見られたので引き続き右小胸筋周辺の硬結へ緩消法を続ける。約3分、緩消法を行い、筋弛緩を触知したので可動域の確認を行う。右肩関節自動ROM、水平屈曲約130°まで動くようになる。
右手で左肩を触れるようになり、本人も喜んでいた。