【患者】50代前半、女性
【主訴】左腕を動かすと痛い
【既往歴】肩関節周囲炎、急性腰痛
【現病歴】約10年前に左肩が肩関節周囲炎になり、可動制限と激痛に悩まされた。肩関節周囲炎になり、その後、徐々に動くようになり、約1年で痛みも治まった。
約2年前に急性腰痛になり、約2か月行動制限があった。動けるようにはなったが腰痛は慢性的にあるので少しずつ痛みを消すようにメンテナンスしながら生活してきた。
約1年前から左肩から上腕にかけて違和感が出るが、放置していたら違和感が痛みに変わってしまった。左肩を動かすと腕に痛みが走り、時間の経過とともに痛みは強くなり現在に至る。
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【現症】来院時、静止状態では肩に痛みはない。
左肩関節自動関節可動域(以下、ROM)は屈曲約120°で前腕内側と大円筋周辺に痛みが発生する。
【施術と結果】本症例は1年前から徐々に痛みが強くなっている症例である。約10年前に肩関節周囲炎になり、可動制限があったことから肩関節周辺に硬結のようなものがある可能性があると推測した。肩関節周辺を触察すると、左大円筋上腕骨付着部周辺に硬結のような塊を触知した。痛みを訴えている箇所とも関連があるため、施術部位とする。約1分、左大円筋上腕骨付着部周辺に緩消法を行い筋の弛緩を確認した。
左肩関節自動ROMの屈曲約120°で前腕内側の痛みが10から0(NRS改変)と消失した。
大円筋肩甲骨付着部周辺には痛みが残存しているので施術部位を探す。大円筋肩甲骨付着部周辺に関連する第11・12肋骨背部周辺の筋を触察すると筋緊張がある。大円筋肩甲骨付着部周辺の痛みに関連する場所である第11・12肋骨背部周辺の筋を施術部位とする。約3分、第11・12肋骨背部周辺の筋へ緩消法を行い、充分な筋弛緩が確認されたので痛みの変化をみる。左肩関節自動ROMの屈曲約120°で大円筋肩甲骨付着部周辺の痛みが10から0(NRS改変)と消失した。