【患者】60代前半 女性
【主訴】「約2か月前に突然、顔の左側に力が入らなくなって、目が開けにくくなってしまった。」
【既往歴】特記事項なし
【現病歴】約2か月前に誘因なく発症した。発症後、著名な鍼灸師の弟子とされる施術者から鍼治療を受け、わずかに改善したように感じたとのことであったが、左瞼は眼瞼下垂様の状態が持続していた。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】60代前半 女性
【主訴】「約2か月前に突然、顔の左側に力が入らなくなって、目が開けにくくなってしまった。」
【既往歴】特記事項なし
【現病歴】約2か月前に誘因なく発症した。発症後、著名な鍼灸師の弟子とされる施術者から鍼治療を受け、わずかに改善したように感じたとのことであったが、左瞼は眼瞼下垂様の状態が持続していた。
続きを読む【現症】発症前は目立った左右差はなかったが、発症以来、左瞼の開きは健側である右側と比較して主観で約70%程度の開度との訴えであった。施術者の客観的観察においても、左瞼の開度は本人の訴えと近似した状態であると判断された。
【施術と結果】本症例は、当初、頚部左側から下顎左側周辺の筋緊張が支配神経の機能に影響し、左瞼の運動障害が残存している可能性を推察し、同部位への施術を開始した。約3分の施術で弛緩を触知したが、患者からは「変化はない」との報告を受けた。
また、以前にも頚部への施術を受けたことがあるが、その際も変化がみられなかったとの報告から、左眼輪筋周辺に拘縮様の筋緊張が残存している可能性を考えた。触察では健側との明確な差は確認できなかったものの、左眼輪筋外側周辺から左眼瞼上部にかけて施術を行った。約5分の施術で弛緩を触知し、患者からは「左瞼の開きが右とほとんど同じくらいに感じる」との報告を受けた。開度は主観で健側の約95%程度まで改善した。
【考察】本症例は、約2か月前に発症したベル麻痺による左瞼の運動障害に対し、頚部から下顎部周辺への施術では変化が認められなかった一方、左眼輪筋周辺への施術により、左瞼の開度改善が認められた一例である。ベル麻痺において、ウイルス活性などの急性要因が落ち着いた後も、十分な筋運動が行えなかった部位に拘縮様の筋緊張が残存し、機能障害の一因となる可能性が示唆された。
【その他】本症例は医学的診断および治療を目的としたものではなく、緩消法による筋緊張の弛緩に伴う身体反応を記録した症例報告である。