【患者】60代前半 女性
【主訴】「約2か月前に突然、口の左側の端が垂れて閉じなくなった。」
【既往歴】特記事項なし
【現病歴】約2か月前に誘因なく発症した。発症後、著名な鍼灸師の弟子とされる施術者から鍼治療を受け、わずかに改善したように感じたとのことであったが、口唇左側端は閉じきれない状態が持続していた。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】60代前半 女性
【主訴】「約2か月前に突然、口の左側の端が垂れて閉じなくなった。」
【既往歴】特記事項なし
【現病歴】約2か月前に誘因なく発症した。発症後、著名な鍼灸師の弟子とされる施術者から鍼治療を受け、わずかに改善したように感じたとのことであったが、口唇左側端は閉じきれない状態が持続していた。
続きを読む【現症】閉口時、口唇左側端は右側端と比較して約5mm下垂していた。閉口しても左口角部が閉じきらず、空気が漏れる状態であった。
【施術と結果】本症例は、約2か月前に発症したベル麻痺による口唇左側の運動障害に対し、まず頚部左側の筋緊張が影響している可能性を考え、施術を行った。頚部左側への施術を約5分行い弛緩を触知したが、口唇左側端の動きに明らかな変化は認められなかった。本人からも「以前に頚部への施術を受けた時も変化はなかった」との報告を受けた。
次に、頬筋や笑筋など左頬部の筋運動が健側と比較して鈍いと考えられる部位を施術対象とした。左頬部への施術を約10分行い弛緩を触知したところ、患者からは「口の左側の下がりが半分くらいになったように感じる」との報告を受けた。施術者の客観的観察においても、口唇左側端の下垂は同様に軽減していることが確認された。
施術翌日には、患者より「さらに動きが良くなったようだ」との報告を受けた。
【考察】本症例は、約2か月前に発症したベル麻痺による口唇左側の運動障害に対し、頚部左側への施術では変化が認められなかった一方、左頬部の筋運動が鈍い部位への施術により、口唇左側端の下垂軽減が確認された一例である。口唇の閉鎖不全に対して、頬筋や笑筋など局所の筋緊張および筋運動のアンバランスが関与していた可能性が示唆される。また、施術翌日にさらなる変化が報告されたことから、施術直後だけでなく、その後も筋緊張の変化が持続していた可能性が考えられた。
【その他】本症例は医学的診断および治療を目的としたものではなく、緩消法による筋緊張の弛緩に伴う身体反応を記録した症例報告である。