【患者】50代後半、女性
【主訴】手首を曲げると痛い、手は常にビリビリして触ると痛みが増す
【既往歴】関節リウマチ、肝炎
【現病歴】3年以上前に手関節から指先にかけて痛みが発生。
痛みが発生した時から日に日に痛みが増していったので、近医内科に受診、関節リウマチと診断された。投薬を数か月行った後、投薬は中止し保存療法へ切り替えた。手指が少しずつ変形してきているのを感じており、両手とも動きの悪さがあり不安感が募ってきていた。
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【現症】安静時において両手関節から手指先までの範囲に痛みがある。痛みの範囲は曖昧になっており、痛みの正確な位置や強弱は判断ができないとのこと。常に痛みを感じている部分は手関節であり、手関節を可動することによって激痛が走る。
右手関節自動関節可動域(以下、ROM)屈曲約10°・伸展約10°で痛みが発生。
左手関節自動ROM屈曲約10°・伸展約10°で痛みが発生。右手関節に強く痛みを感じていた。
【施術と結果】本症例は、3年前に関節リウマチと診断されたことがある痛みである。
痛みの強い右手関節周辺を触察すると、触れる程度の刺激で触察した個所に痛みが発生する。右手関節から前腕、肘にかけて触察していくと筋緊張が触知されるが、特に右浅指屈筋付着部である鈎状突起周辺に強い筋緊張を触知した。施術個所を右鈎状突起周辺の筋とし、施術を開始する。手関節や指の屈曲・伸展は強い痛みが発生するため、右前腕の回内・回外の動きで緩消法にて筋弛緩を行う。
約1分後、筋の弛緩を触知された為、右手関節のROMと痛みの確認を行う。右手関節自動ROM屈曲約60°・伸展約30°となり、右手関節自動ROM屈曲約10°・伸展約10°での右手関節の痛みは10から0(NRS改変)となった。
ROMと痛みに変化があったが、右手関節自動ROM屈曲約60°・伸展約30°にて手関節に痛みが発生する。引き続き同一ヶ所である右鈎状突起周辺の筋弛緩を開始する。右手関節の屈曲・伸展にて右鈎状突起周辺の筋を収縮させて緩消法を行う。約2分後、筋の弛緩を確認できた為、ROMと痛みの再確認をする。右手関節自動ROM屈曲約60°・伸展約30°での痛みが10から2(NRS改変)となった。
施術終了後、手を振る動きをしても痛みがなくなり笑顔でお帰りになった。