【患者】30代前半、女性
【主訴】腋の下が触るとピリピリして痛い、物を持つ時に腋の下が痛い
【既往歴】頚椎症
【現病歴】2日前の朝、起床時に両脇の違和感があった。気に留めることなく朝の支度をし、左手で鞄把握動作後の拳上時に左腋窩に痛みが走った。その後、歩行時や安静時には痛みは発生しなかったが、左手での鞄の把握動作後の拳上時の左腋窩の痛みは毎回、発生するようになった。自身で左腋窩を触ってみると痛みが走り、右の腋窩も左より軽いが触ると痛みが走るようになってしまった。
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【現症】来院時、安静にしていると痛みはない。左手で重さ約1kgの鞄の把握動作後の拳上時に左腋窩に痛みが発生した。本人に左腋窩を触察してもらうと左腋窩に痛みが発生した。右腋窩も触察すると右腋窩に痛みが発生する。本人の触察による痛みは現在も左腋窩のほうが強く出ているとの事だった。
【施術と結果】本症例は明確な誘因がなく発生した腋窩の痛みである。安静時には痛みがなく特定の動作時のみに痛みが出ることから筋の損傷の可能性除は外し施術を進める。
触察すると痛みが発生する筋は左右とも大円筋肩甲骨外側縁周辺である。左腋窩の痛みが強く出ていることから、左腋窩から施術を開始する。左大円筋肩甲骨外側縁周辺に筋緊張を確認し緩消法を開始する。約1分、緩消法を行い、筋弛緩を触知したので、痛みの再確認を行う。左手での重さ約1kgの鞄の把握動作後の拳上時、左腋窩の痛みは10から0(NRS改変)になる。触察による左腋窩の痛みは10から3(NRS改変)になった。
腋窩の痛みに変化が出たが、左右の腋窩に痛みが出ていることから、再発しないための根本的な解決のためには腰部の筋弛緩が必要であると伝え、残りの施術時間は腋窩に繋がる腰部の筋へ緩消法を行う。
約20分の腰部施術終了後、最終確認を行うと左右腋窩の触察による痛みは10から0(NRS改変)となった。