【【患者】40代後半、男性
【主訴】右肘を曲げると腕が痛い。顔を洗う姿勢で右手が顔につかない。
【既往歴】-
【現病歴】10年前のスポーツ中に右上腕を打撲し筋断裂。
筋の断裂を起こしたが、手術はせず放置していた。
急性的な痛みは引いたが、可動域の制限があり、肘部屈曲時に上腕に疼痛があった。
安静時の疼痛はないが、肘部の屈曲時の疼痛は軽減しているが残っている。
肘部屈曲の可動制限により、洗顔時に手がつかず不便を感じている。
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【現症】右肘の自動関節可動域(以下・ROM)屈曲約90°・他動ROM約100°可動の際、上腕二頭筋周辺に疼痛。
洗顔の動作では右手掌で自分の顔に触れることができない。
【施術と結果】肘・上腕に触知すると上腕の広い範囲で筋緊張、筋断裂の痕と思われる個所もあり、上腕の筋の深部にも筋硬結のようなものが確認できる。10年前の筋断裂による後遺症が可動域の制限をしていると考えられる。
上腕の屈曲筋周辺にある筋緊張の部位へ緩消法を行い、筋の弛緩を確認した。右肘の他動ROM約100°と変化はないが、肘部の可動による上腕筋周辺の疼痛が10から0(NRS改変)になる。
上腕の筋深部にある筋断裂の痕と思われる筋に緩消法を行う。約1分ほど緩消法を行い、筋の弛緩と変化を感じ取れたので、肘の可動域の確認を行う。右肘の自動ROM屈曲約120°になり、洗顔時の動作にて本人の顔に右手掌が触れるようになる。