上肢下垂位、肘屈曲時に発生する前腕の痛みが消失した例

【現症】左上肢下垂位で肘屈曲し母指指尖部が第10胸椎高位棘突起にて、前腕橈側・尺側の肘側に痛みがある。激しい痛みではないが衣服の着脱時に痛みがあるため不便を感じている。痛みが前腕に発生しているので、手指・手首・肘の可動を確認したが、前腕部に痛みは発生しなかった。
【施術と結果】本症例は、肩関節周囲炎後に発生した前腕の痛みである。現在、左前腕に痛みが発生する動作である左上肢下垂位にて上腕の内旋をする際、肩が上方へ動き不自然さを視認したことから、前腕部の筋ではなく、上腕の内旋する筋の影響により前腕に負担をかけていると推測した。
　左腋窩の上腕骨周辺を触察すると筋緊張がある。左腋窩の上腕骨周辺を施術部位とし緩消法を行う。約1分緩消法を行い筋の弛緩を触知したので痛みの確認を行う。左上肢下垂位で肘屈曲し母指指尖部が第10胸椎高位棘突起にて、前腕橈側・尺側の肘側の痛みが１０から０（NRS改変）となる。可動域も広がり左上肢下垂位で肘屈曲し拇指指尖部が第5胸椎高位棘突起まで上がるようになる。
　発痛部位の筋と関連する筋を弛緩することによって痛みが軽減した一例だった。