【患者】 50代前半 女性
【主訴】 「2週間ほど前から右手の薬指がばね指になってしまって。痛みはないからいいんですけど、ちょっと家事がしづらいんです」
【既往歴】 うつ病、不眠症
【現病歴】 約2週間前にピアノを長時間演奏したことが誘因となり、右薬指に弾発症状(ばね現象)が出現。日常生活の動作に不便を感じ、改善の相談を受けた。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】 50代前半 女性
【主訴】 「2週間ほど前から右手の薬指がばね指になってしまって。痛みはないからいいんですけど、ちょっと家事がしづらいんです」
【既往歴】 うつ病、不眠症
【現病歴】 約2週間前にピアノを長時間演奏したことが誘因となり、右薬指に弾発症状(ばね現象)が出現。日常生活の動作に不便を感じ、改善の相談を受けた。
続きを読む【現症】 右薬指の近位指節間関節(以下 PIP関節)周辺、および中手指節関節(以下 MP関節)周辺の腱部に弾発症状を認める。
【施術と結果】 本症例は、手指の過度な使用による屈筋腱の緊張を疑った。触察にて、右薬指のPIP関節周辺およびMP関節周辺の腱部に、健側と比較して緊張によるものと思われる肥大を触知した。
当該部位の腱部に対し、約15分間の緩消法を実施した。施術後、触知していた肥大は主観で6割減となり、弾発症状は消失したとの報告を得た。
また再発抑制には、腰部の筋弛緩が効果的であることを伝えて、施術は終了となった。
【考察】 ピアノ演奏による指屈筋腱の過度な使用が、腱および腱鞘周囲の緊張と肥大を招き、滑走障害を引き起こしていたものと推察される。関節部における腱部の肥大が短時間の施術で軽減し、弾発症状が消失した事実は、軟部組織の緊張緩和がばね指の症状改善に有効である可能性を示唆している。
【その他】 短時間の介入で良好な結果が得られたが、手指の細かい動作を継続する場合、再発の懸念がある。今後は腰背部を含めた広範囲な筋弛緩を継続することで、末梢部への負担軽減および全身の機能安定、再発防止に寄与する可能性があると考えられる。