【患者】60代前半 女性
【主訴】「この1年くらいで側弯症が進んできたように感じて、それに合わせてまっすぐ歩けなくなってきた感じがする。」
【既往歴】脊柱側弯症
【現病歴】約1年前から「まっすぐ歩けない」という感覚が徐々に強くなってきたとの報告を受けた。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】60代前半 女性
【主訴】「この1年くらいで側弯症が進んできたように感じて、それに合わせてまっすぐ歩けなくなってきた感じがする。」
【既往歴】脊柱側弯症
【現病歴】約1年前から「まっすぐ歩けない」という感覚が徐々に強くなってきたとの報告を受けた。
続きを読む【現症】患者から「側弯症のため、右に進むような感じにしないとまっすぐ歩けない」との訴えがあった。立位では、背面から見て上半身が下半身に対して左側へ傾いている様子が確認された。
【施術と結果】 本症例は、背面から見て上半身が下半身に対して左側へ傾いており、患者から「右に進むつもりで歩くとまっすぐ進める」との報告を受けていたことから、腰背部の筋緊張の左右差が、直進しにくい感覚に関与している可能性を考えた。腰部側面では、肋骨と骨盤との間隔が狭く、施術が困難な箇所もあったため、施術可能な部位を確認しながら施術を開始した。
施術開始から約5分で弛緩を触知した。歩行を確認したところ、まっすぐ歩くために必要としていた右向きへの意識が、施術前と比較して7割程度まで小さくなったとの報告を受けた。変化が確認できたことから、施術を継続することとした。
施術を継続し、合計約40分の施術後には、まっすぐ歩くために必要としていた右向きへの意識が、施術前と比較して1割未満になったとの報告を受け、時間終了となった。
【考察】 本症例は、脊柱側弯症があり、約1年前から「右に進むように意識しないとまっすぐ歩けない」という感覚が強くなっていた症例に対し、腰背部への施術によって歩行時の感覚に変化が認められた一例である。
施術前には、まっすぐ歩くために右方向へ進むことを意識する必要があるとの訴えがあったが、腰背部への施術開始から約5分で、その意識は施術前と比較して7割程度となり、合計約40分の施術後には1割未満になったとの報告を受けた。
本症例では脊柱そのものの形態的変化を評価したものではないため、側弯症自体に変化が生じたとは判断できない。一方、腰背部の筋緊張を弛緩させる過程で歩行時の感覚に変化が認められたことから、本人が感じていた「まっすぐ歩けない」という感覚には、脊柱の形態だけではなく、腰背部の筋緊張も関与していた可能性が示唆された。