15年続く腰部左側の痛みと起立時の左大腿内側の引張感の改善例
【患者】60代後半 女性
【主訴】腰痛 左臀部痛 左大腿から左脹脛外側が突っ張る
【既往歴】腹膜炎(23歳) 腰部神経ブロック注射術後2回 局所麻酔術後1回
【現病歴】
15年前から腰痛と共に左下肢の引張を感じるようになり、増悪傾向にある。
続きを読む
【現症】
インターネットにて緩消法を知り、ご自分で行ってみたが寛解の気配が見られなかった為、実際に施術を受けてみたいと思われてご来院された。間欠性跛行の様な一定時間動作を継続しての痛みの増悪は無いが、腰痛は増悪傾向。椅坐位からの起立動作時に左大腿から左脹脛外側に引張感が出る。腰部関節可動域に制限は確認出来なかった。
【施術と結果】
本症例は、15年続く腰部左側の痛みと起立時の左大腿内側の引張感を訴えており、目視・触察にて熱感や腫脹が確認できなかったことから、痛みや引張感の要因は筋緊張による血行不良と推測した。また、下肢の触察を行ったが際立った筋緊張が確認できなかった為、腰部を中心に施術を行っていくことが最善ではないかと推測し、腰部の触察にて腰部左側の腰方形筋と思われる筋に筋緊張を確認した。この筋緊張部位から尾側に向かった延長下に左臀部の痛みを訴えている部位と重なった為、先ず、腰部左側の腰方形筋に約1分施術を行い、筋弛緩を確認した結果、左臀部の痛みが10から8(NRS改変)となった。
変化がみられた為、約5分継続し筋弛緩を確認した結果、左臀部の痛みは10から0となり、椅坐位から起立動作を行っていただくと、引張感はご本人主観で3割減少したと報告を受けた。その後、腰部の筋弛緩を行っていったが、痛みが10から7(NRS改変)までで、引張感ともにこれ以上変化が出ることは無く、その日は終了した。6日後、第3腰椎(以下、L3)周辺の筋緊張部位に施術を行い、L3の肋骨突起に触れられるまで約5mmの位置まで筋弛緩を行った結果、腰部の痛みは10から5(NRS改変)となった。更に5日後、前回と同じく腰部側面の筋緊張部位に施術を約20分行い、L3肋骨突起を触れられるようになるまで筋弛緩を行った結果、腰部の痛みは10から3(NRS改変)となり、引張感はご本人主観で5割減少したと報告を受けた。
将来歩けなくなるのではないかと不安に思っていたたが、徐々にではあるが、変化を感じられていることに希望を持てるようになったと明るくお話しくださいました。