【患者】50代前半 女性
【主訴】腕を挙げる時に右肩が痛い。右腕が肩のラインまでも上がらない。結帯動作で後ろの肩関節付近に痛みがある。
【既往歴】-
【現病歴】約6ヶ月前から右五十肩を発生。数年前に左五十肩を発症し当院で改善したので再来したとのこと。
続きを読む
【現症】右肩関節可動域(以下、ROM)は、自動でおよそ、屈曲70°・外転50°。右腕を背中に回す動作は臀部下部に届く程度、この動作では肩関節付近、大円筋付近にかなり痛みが生じる。
【施術と結果】本症例は右肩関節周辺部と腰部の筋緊張が要因であると考えた。右肩関節屈曲で、右肩関節後部、大円筋付近に痛みが生じる。続いて外転動作にて、同じ箇所に痛みが生じ、背中に結帯動作でも同じ箇所に痛みが生じる。その箇所を触察してみると、癒着様が確認できた。
痛みを訴える右肩関節後部周囲から施術を開始した。約2分行い、自動ROMおよそ、屈曲80°・外転60°に改善した。結帯動作では、母指の先端が腰椎4番くらいまで上がるようになった。さらに同じ箇所を5分施術。自動ROMおよそ、屈曲100°・外転90°に改善した。結帯動作では、母指の先端が腰椎3番くらいまで上がるようになった。さらに大円筋周辺を10分施術し自動ROMおよそ、屈曲170°・外転100°に改善した。結帯動作では腰椎2番くらいまで上がるようになった。
次に、腰部の筋緊張に関連があると考え外転動作が完全には上がらないので、腰部10番肋骨の真横付近を、緩消法にて約5分実施。自動ROMおよそ、屈曲170°・外転110°に改善した。後ろに手を回す動作では腰椎1番くらいまで上がるようになった。
この時点で、右肩の可動時の痛みが10から5(NRS改変)になった。腰部の筋緊張もかなりあるので、腰部と肩の筋は繋がっていて腰部の筋緊張により引っ張られているので、腰部も弛緩していかないと戻ってしまうことを説明し終了。6ヶ月間放置してなかなか治らなかったので、大変喜ばれて帰られました。