【患者】60代後半 女性
【主訴】
右股関節がズレてしまうような違和感と怖さがあり、歩けなくなるのではないかと心配。
【既往歴】リウマチ(15年前から服薬中)
【現病歴】以前から右股関節に違和感があり、近医整形外科でX線検査したところ「股関節のかぶりが浅い」と言われた。約4ヶ月前の清掃の仕事中、股関節に異音がし、痛みを感じた。それ以来、怖くて右股関節に加重しないように注意しながら生活しているが、椅子からの起立動作で右股関節に痛みがあり、長時間歩行で右股関節に痛みが出ることから、歩けなくなってしまうのではないかと不安に思っている。
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【現症】右股関節に安静時痛は認められない。椅子からの起立動作で右股関節がズレる感覚があり、痛みが発生する。胸腰部関節可動域(以下、ROM)自動で前屈約30°、後屈約5°で右股関節に痛みが発生する。
【施術と結果】本症例は右股関節の痛みを訴えており、腰部の筋緊張と鼡径部周辺の筋緊張が要因と考えた。
まず、右鼡径部を触察したところ右鼡径部中央に筋緊張を確認し、緩消法を約2分行い、筋弛緩を確認した。その結果、椅子からの起立動作での右股関節の痛みは10から2(NRS改変)と小さくなった。腰部の筋緊張も要因と考え、腰部側面を触察したところ、筋緊張を確認したため、腰部側面へ約15分間緩消法を行った。腰部側面の押圧深は約2㎝から約3.5㎝となり、その結果、椅子からの起立動作での右股関節の痛みは10から0(NRS改変)と消失した
。胸腰部ROMは自動で前屈約40°、後屈約15°となり、「こんなに身体を曲げられなかったのに。」と喜んでいただけた。