12年前からの腰痛のため前傾姿勢になってしまった女性の姿勢の改善例
【患者】70代前半 女性
【既往歴】ー
【主訴】
12年前から腰痛があり、気が付いたらこんなに体が前に傾いてしまった。洗濯物を干すときに腕を上に伸ばせない。5分歩くと腰と膝が痛い。
【現病歴】
約12年前に農作業をやめてから腰痛を発症し、歩くのが辛くなり、横になっていることが多くなった。近医受診の際、骨を強くする薬を処方され、現在も服用中。約12年前から痛みが悪化し始め、徐々に前傾姿勢となった。歩くときも前傾姿勢でないと難しく、膝関節を屈曲した状態で歩くため、5分ほどの歩行で膝関節にも痛み出現し、補助器具がないと長時間の歩行は困難となっている。
続きを読む
【現症】
常に胸腰部前屈約20°、右側屈約10°。第4腰椎高位で起立筋周辺に痛みがある。
【施術と結果】
本症例は、前傾を伴う腰痛を訴えており、腰部の筋緊張が前傾と腰痛の要因と考えた。触察にて腰部側面の筋緊張を確認したため、緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。その結果、腰部の痛みが10から8(NRS改変)となった。痛みに変化があったため同部位を緩消法にて約10分弛緩したところ、押圧深約1.5㎝から約3cmとなり痛みが10から0(NRS改変)と消失した。胸腰部前屈約15°と少し前屈姿勢の改善がみられた。さらに触察により外腹斜筋周辺の筋緊張を確認したため前傾姿勢の要因であると考え、緩消法にて約5分弛緩したところ、胸腰部前屈約10°の維持が可能となり、さらに同部位を緩消法にて約5分弛緩したところ、胸腰部前屈約5°の維持が可能となった。「視界が広くなり、体が起こせるようになって、腕も挙がり易い」と挙上動作を何度もしたり、歩き回ってみたりされて笑顔で帰られた。