【患者】80代前半、女性
【既往歴】―
【主訴】10日前に急に右耳がふさがったようになり、聞こえづらい。
【現病歴】10日前、急に右耳に耳閉感が発生し、聞こえづらくなった。発症当日にご家族に当院を勧められたので、来院まで特に何もせず過ごしていた。
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【現症】右耳が聞こえづらく、左耳をふさぐと会話ができない状態。車のクラクションや救急車のサイレンなど、大きな音は聞こえる。右耳にイヤホンを付けて動画を視聴してもらうと、音量50で聞こえる状態であった。
【施術と結果】本症例は、突発性難聴を発症されているが、要因として、右胸鎖乳突筋周辺の筋緊張による血行不良が考えられた。
右胸鎖乳突筋周辺を触察し、右乳様突起周辺に筋緊張が確認できたため、緩消法にて約30秒弛緩し、イヤホンをつけて同じ動画を視聴していただいたところ、音量が40で聞こえる状態となった。
右乳様突起周辺は比較的弛緩したが、右下顎角周辺の筋緊張が残存していたため、右下顎角周辺を触察し、筋緊張を確認。緩消法にて約30秒弛緩し、先ほどと同様に聞こえを確認したところ、音量が25で聞こえる状態となった。ここで、左耳をふさいで会話ができるようになった。ここで、右胸鎖乳突筋は比較的弛緩したことと、会話ができるようになったことから、右胸鎖乳突筋の筋緊張を誘発すると考えられる腰部側面の施術に移った。腰部側面を触察し、筋緊張を確認。緩消法にて約20分弛緩し、動画視聴にて聞こえを確認したところ、音量が15で聞こえる状態となった。
「会話も困らないし、はっきりと聞こえるようになってうれしい」と笑顔で帰路につかれた。