【患者】50代後半、女性
【主訴】右腕が痛い
【既往歴】手根管症候群、腱鞘炎
【現病歴】1週間前に転倒し、右臀部周辺と右肘を強打した。転倒した日に近医整形外科に受診し、全身の精密検査を受けたが異常は見当たらなかった。
転倒後、数日間、右臀部と腰部周辺の激痛が続いたが、徐々に右臀部と腰部周辺の痛みは小さくなっていった。その後、右臀部と腰部の痛みは気にならなくなったが、右肩から上腕にかけて痛みを自覚するようになった。1週間経過したが右肩から上腕にかけての痛みは変化することはなかった。自宅にてストレッチや体操、温熱療法などを行ったが痛みは消えず当院へ来院した。
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【現症】安静時、右上腕大結節周辺から三角筋粗面周辺に痛みがある。
右肩関節自動関節可動域(以下、ROM)は外転90°にて右三角筋粗面周辺の痛みが増悪。
日常生活の中、不意に痛みが発生する為、いつ痛みが出るか不安な日常を送っている。
【施術と結果】本症例は、安静時にて右上腕大結節周辺から三角筋粗面周辺に痛みが発生している例である。近医整形外科の精密検査で異常が見当たらなかったことから、痛みが発生している部位が損傷している可能性は除外する。
自身でストレッチや体操、温熱療法などを実践していたが、痛みに変化がないことから痛みを発している部位である右上腕大結節周辺から三角筋粗面周辺に原因はないと推測。1週間前に転倒し臀部を強打した後、右臀部と右腰部に激痛が発生していたことから、腰部に痛みの要因となる筋があると考えた。
腰部を触察すると右第12肋骨先端周辺に筋緊張が触知された。上腕部の痛みを発している筋との関連がある部位であることから施術部位とする。約2分、緩消法を行い、筋弛緩を確認した。右肩関節ROM外転90°で右上腕大結節周辺から三角筋粗面周辺の痛みが10から0(NRS改変)と消失した。