【患者】30代後半 男性
【主訴】仕事場(調理場)の床清掃中に腰に違和感を覚え翌日起きられないほど痛みが酷くなった。
【既往歴】ー
【現病歴】2日前、床清掃中に腰部を痛め翌日の起床時に起き上がれないほど痛みが増大、安静時に鈍痛があり、椅座位からの起立時に痛みが増大し歩行はスローではあるが可能。
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【現症】自動関節可動域(以下、ROM)は胸腰部前屈約30°・後屈約5°で第4腰椎、第5腰椎(以下、L4・L5)棘突棘突起から左約5cm・右約5cm間の範囲に痛みが発生し、ROM制限あり。また椅座位からの起立時にも同範囲に痛みが発生。歩行による軽度の跛行あり。
【施術と結果】本症例は床清掃中に腰部を痛めたということから、清掃動作による急激な腰部の筋緊張が痛みの要因と考え痛みが発生している周辺の筋緊張を疑った。先ず触察と目視による熱感、腫脹、皮下出血などが無い事を確認した後、痛みが発生しているL4・L5の高位の左右上後腸骨棘上部周辺を触察したところ強い筋緊張を確認した為、同周辺に緩消法を約3分施術し筋弛緩を確認した。
結果、同周辺の押圧深が約0.5cmから約1cmとなり椅座位からの起立時の痛みは消失した。また胸腰部ROMは前屈約45°となり痛みは消失し、前屈のROM制限は無くなったが胸腰部後屈による痛み、ROM制限に変化が見られなかったので続けて同周辺に緩消法を約5分行い筋弛緩を確認し、押圧深が約0.5cmから約1.5cmと更に大きくなった。
結果、胸腰部ROMは後屈約10°となり痛みは消失し日常生活に支障が出る後屈のROM制限は無くなった。次に腰部側面に緩消法を約15分施術し、押圧深約1cmから約3cmと大きくなったところで終了。結果、跛行も無くなりスムーズな歩行が可能になった。