左膝関節の可動制限改善と同時に痛みが軽減した例

【現症】来院時、歩行は可能だが左下肢の荷重応答期から立脚終期までの時間が短く、跛行を呈する状態であった。歩行時の痛み発生個所は膝蓋骨周辺にあり特に膝蓋骨大腿部側にあり、膝窩全体にも痛みがある。階段を上る時に特に痛みが激しいとのこと。左膝関節可動域（以下・ROM）自動屈曲約80°、膝関節ROM約80°で膝窩中心部周辺に痛みが発生。座位安静時には痛みはなし。
【施術と結果】本症例は、膝関節に激痛があり歩行困難になった過去があることから、筋・靭帯などの損傷を疑った。近医への診療をしておらず正確な筋・靭帯・関節の状態が不明であるが、激痛は1ヶ月以上前、現在、歩行は可能なことから膝関節の筋・靭帯などに損傷はない可能性は低いと判断した。
　触察により左膝窩部周辺と左大腿部前面に筋の硬さがあり、本人の訴える膝関節の痛みと殆ど一致したことから、左膝窩部周辺を施術個所とした。
　左膝窩部周辺に強い痛みを訴えたので、左膝窩部周辺の筋を先に筋弛緩を行う。約1分、左膝窩部周辺の筋弛緩を行い、筋の弛緩を確認し、左膝ROM自動屈曲と痛みの確認を行う。膝関節ROM約80°で膝窩中心の痛みは１０から０（NRS改変）と小さくなり左膝関節ROM自動屈曲約100°となる。歩行時の左膝の痛みは１０から８（NRS改変）になる。歩行時の左膝の痛みの変化が小さいので、施術箇所を変更する。膝の痛みは腰部周辺の筋との関連が深く、本人も痛みの根本解決を望んでいたので腰部の筋弛緩へ移る。施術終了後には歩行時の痛みが１０から５（NRS改変）になる。
　再来院時、歩行時の痛みはなくなったと報告を受けた。