【患者】30代後半、男性
【主訴】定期的に激しい片頭痛が出てくる、左右交互に頭痛が出て気持ち悪くなることもある。
【既往歴】片頭痛、群発頭痛、顎関節症、慢性腰痛
【現病歴】10年以上前にバイクでの交通事故により右半身を強打。側面から車に衝突され頚部への損傷もあった。救急処置により一命は取り留めたが後遺症は残った。事故から数か月は全身の痛みだったが、痛みの範囲が狭くなるが左半身が強くなり、その後、頭痛や吐き気、めまいなど様々な症状が発生した。担当医師の検査によりレントゲン写真から側弯もあると指摘されたが、問題ない範囲であり進行もしてないことから様子見となる。半年前より緩消法の実践を開始した。当時は左半身の痛みとめまいや吐き気が主訴であったので、緩消法を知る前に様々な療法を試しており、頚部への処置もしてきた。それにも関わらず芳しい結果が見えてこなかった。このことから頚部への施術に効果は薄いと判断し、頚部の施術は行わないよう本人に指示をした。基本的な施術部位は体全体の筋緊張に影響を与える腰部への緩消法を中心に続けるよう指示。現時点で全身の痛みやめまいなどは減少し、日常生活は楽になっていた。しかし、定期的に発生する頭痛には引き続き悩まされていた。
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【現症】頚部を触察すると左右共に筋緊張を確認。第2頚椎右側周辺に強い筋緊張、頚部右側上位部から下位部まで全体的に筋緊張を確認した。頭痛は右側に発生しているが一番激しい状態の頭痛程ではない。若干のふらつきもある。
【施術と結果】本症例は、半年前の交通事故による後遺症であることから、頚部を中心に要因があると推測し施術を行う。主訴である片頭痛は頭部への血行不良によるものであると予測。
交通事故後遺症は全身の筋緊張が大きく、事故直後では頚部への直接の施術では効果は薄いと判断され腰部を中心に施術を行っていた。現在の腰部周辺の筋の状態は、腰部右側面の押圧深8cm、腰部左側面の押圧深6cm、第2腰椎棘突起を中心に左右側方へ4cm部位の押圧深3cmである。
腰部の筋が弛緩していること、腰部の筋緊張が頚部の筋に与える影響も小さいと推測し、頚部への筋弛緩も効果があると考えた。本人が訴える主な症状は片頭痛であり、拍動性の頭痛であることから動脈の血行不良によるものと考えられる。
頭痛は左右ともに交互に起きることから頚部は左右ともに筋緊張があると推測するが、特に筋緊張が強い頚部の筋がより頭部への血行不良を起こしていると考えられる。
触察により、第2頚椎右側周辺に強い筋緊張があり、発生している頭痛も右側にあることから第2頚椎右側周辺の筋を施術箇所とする。多少のふらつきも訴えていることから施術時の頚椎の動きは最小限で緩消法を行う。1分程の施術後、頚部の筋に弛緩を確認。頭痛の状態を確認すると主観ではあるが1割ほどの軽減を感じた。ふらつきも減少したと本人談。
続けて同一ヶ所とその周辺の筋を含め、3分程緩消法を行う。筋弛緩を確認、本人の主観により3割ほど頭痛が軽減した。施術終了後には視界が明るくなった、とのことだった。後日、施術後から激しい頭痛が出ることはなくホッとした、との報告を受けた。