【患者】40代後半、男性
【主訴】体中が重くてだるい
【既往歴】鬱病、統合失調症
【現病歴】10年前にうつ病を発症し治療を開始。
主に投薬治療を中心にカウンセリングを週に一度の間隔で行ってきた。
数年前より、鬱症状だけでなく統合失調症の症状も現れる。
主治医とカウンセラーと両者により、投薬の種類や量、カウンセリング内容を変えながら現在も治療中。
精神疾患の兆候は少なくなってきたが、全身の倦怠感が大きくなってきた。
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【現症】統合失調症の治療薬の投与後に発現した全身倦怠感が強い。感情に鈍麻が見られ、全身に細かい震えが視認できる。【施術と結果】精神疾患症状の改善には頚椎の筋緊張による脳の血行促進が有効と言われている。
全身の倦怠感については、主となる原因を絞ることが困難なため、全身の筋に影響を与える腰部に要因があると仮定する。腰部に触知すると微かな震えがはっきりと感じ取れる。
本人からは薬の変更した後から震えが始まっており、時期的に倦怠感の発症と震えの発症はほぼ同時期であるとのこと。
触知をすると、脊柱起立筋周辺の筋緊張が大きい。倦怠感は頭部の血行不良と背部の筋緊張が関係していると考えられる。
頚椎周辺と背部の両方に影響を与える可能性が高い腰椎1番付近の筋に緩消法を行う。緩消法を10分ほど施術した時、震えが減少し始める。施術箇所は継続して腰部中心部に緩消法を行い倦怠感、震えの改善を進める。