15年前から続く膝関節痛の改善例

【現症】左右前膝部に荷重痛あり。膝立ちから臀部を踵に着けた状態で膝関節を最大限屈曲した体勢を正座とし、正座をしてもらうと左前膝部の痛みで全く臀部が下ろせない状態(自動関節可動域(以下、ROM)膝関節屈曲約90度)。
【施術と結果】本症例は左右前膝部に痛みを訴えており、痛みの要因を左右前膝部周辺の筋緊張と考え、同部位に左右約2分ずつ緩消法を行うとそれぞれ筋弛緩を確認できた。その結果、左前膝部の荷重痛が10から4(NRS改変)、右前膝部の荷重痛が10から2(NRS改変)に減少した。
　次に腰部の筋を弛緩させることで左右前膝部周辺の筋弛緩がさらに促進すると考え、左右上前腸骨棘筋付着部付近の筋緊張箇所に緩消法を約2分施術。結果、左前膝部の荷重痛が10から3(NRS改変)、右前膝部の荷重痛が10から1(NRS改変)に減少した。さらに膝関節痛の要因として第4腰椎（以下、L4）・第5腰椎（以下、L5）の高位に対する腰部の筋緊張が考えられるためL4・L5の高位に対する腰部側面の筋緊張部位に緩消法を約20分施術。結果、腰部側面の押圧深約2㎝から押圧深約3.5cmとなり左前膝部の荷重痛が10から1(NRS改変)に減少、右前膝部の荷重痛が10から0(NRS改変)に消失した。主観による歩行時の痛みはだいぶ減少し楽に歩けるとの報告を受けた。
　また、正座動作により痛みで臀部が下ろせない状態(ROM膝関節屈曲約90度)から臀部が下ろせる状態(ROM膝関節屈曲約45度で痛み発生)まで改善した。