【患者】40代後半 男性
【主訴】過去2度の交通事故をきっかけに首の後ろが慢性的に痛い。首を後ろに倒すと引っかかり感がある。
【既往歴】―
【現病歴】約10年前と約5年前に、前方不注意の車両に後方から追突された事故経験あり。どちらも頚部痛が発生し、当時は治療を行っていたが、慢性的な痛みは残存している。
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【現症】頚部関節可動域(以下、ROM)は自動にて伸展約30°で第2胸椎(以下、T2)棘突起から左外側約1cmの部位に限局した痛みが発生。また、後頚部全体の筋緊張が高く、引っかかり感を伴う。
【施術と結果】本症例は、過去2度の交通事故をきっかけに、慢性的な頚部痛が残存しているため、頚部の筋緊張による血行不良が要因と考えた。
はじめに、頚部伸展時に発生する限局した痛みの部分を触察したところ筋緊張を確認したため、緩消法を約2分施術し、筋弛緩を確認した。結果、後頚部の痛みは10から2(NRS改変)と小さくなった。頚部伸展時の限局した痛みが約2cm上方へ移動したため、同部位の筋緊張部位に約2分施術し、筋弛緩を確認した。結果、後頚部の痛みは10から1(NRS改変)と小さくなり、主観により伸展時の引っかかり感が消失したとの報告を受けた。
次に、後頚部全体の筋緊張の要因として腰部の筋緊張が考えられることを説明し、再発防止のため腰部両側面の頭側に施術を移行した。腰部両側面の筋緊張を確認し、緩消法を約20分行い、筋弛緩を確認した結果、自動による頚部ROMは、伸展約50°と大きくなり、主観により体が軽くなり、頚部伸展動作が楽になったとの報告を受けた。長年当たり前のように痛かったものがこんなことで良くなるのかと喜んで頂けた。