【患者】40代前半 女性
【主訴】パソコン操作や手書きなどのデスクワークを長時間行ったことにより、3日前から右手首が痛い。
【既往歴】腱鞘炎
【現病歴】長時間のパソコン操作や手書き作業などをきっかけに、3日前から右豆状骨近位端から約5cmの範囲に痛みが発生。翌日近医整形外科を受診し、腱鞘炎と診断された。痛み止め薬を処方され3回服用。また、手首を固定するサポーターを使用しながら仕事を続けている。症状が治まらない場合にはステロイド注射を行う予定とのこと。
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【現症】手関節屈曲時に右豆状骨近位端から約5cmの範囲に痛みが発生。
【施術と結果】本症例は、3日前に発症し、目視及び触察にて痛みを訴える部位の熱感はないものの、やや腫脹が感じられることから、老廃物の滞留からの腱の肥大による炎症と考えたため、患部への直接施術はしないこととした。
はじめに、右前腕部を触察したところ、右前腕部の掌側に電気が走るような感覚があるとの報告を受けた。また、手関節屈曲動作で右前腕屈筋群近位約5cmから10cmの範囲に筋緊張を確認した。
筋緊張部位に緩消法を約4分施術し、筋弛緩を確認した。結果、手関節屈曲時の右豆状骨近位端から約5cmの範囲の痛みは10から6(NRS改変)と小さくなった。痛みの変化があったことから、さらに同部位の筋緊張部位に約2分施術し、筋弛緩を確認した。結果、手関節屈曲時の右豆状骨近位端から約5cmの範囲の痛みは10から3(NRS改変)と小さくなったが、手関節伸展動作によって右豆状骨周辺に痛みを感じるようになってきたとの報告を受けた。
伸展動作であっても痛みの部位は大きく変わらないことから、先程と同様に右前腕屈筋群を触察しながら筋緊張部位に緩消法を約2分施術し、筋弛緩を確認した。結果、痛みの変化はなかったが、主観により施術前に比べて手関節屈曲及び伸展可動域が大きくなり、右前腕部の電気が走るような感覚が消失したとの報告を受けた。
施術から約3週間後、ステロイド注射を打つことなく回復に向かっているとの報告を頂いた。