【患者】40代前半、男性
【主訴】手をついたときに右手首に痛みがある、手首が痛くて腕立て伏せができない
【既往歴】-
【現病歴】学生時代に本格的なスポーツを経験し、プロを目指しており、筋肉トレーニングもハードに実践していた。20歳ごろに背部から肩にかけて故障し、ハードなトレーニングが不可能になった。その後、ハードなスポーツやトレーニングはせず、趣味としてスポーツやトレーニングを楽しんでいた。
約5年前より、腕立て伏せをした際に右手関節に違和感が発生し始めた。腕立て伏せ以外のトレーニングは可能だったので放置していたが、日常生活にて右手をついたときや背屈するような動作でも右手関節に痛みが走るようになった。
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【現症】右手関節自動関節可動域(以下、ROM)は、背屈約80°で痛みは発生しない。右手関節他動ROMにて、背屈旋約90°にて右手関節背側中心から橈側周辺に痛みが発生する。
【施術と結果】本症例は、腕立て伏せ時・他動にて右手首を背屈した際に発生する右手関節背側中心から橈側周辺の痛みである。右手関節から前腕周辺を触察すると前腕中心部に癒着のような筋緊張が触知された。手関節中心部の背屈時の痛みと関連する筋と推測し施術個所とする。約1分、緩消法を行い筋の弛緩を確認した。
右手関節他動ROMにて、背屈旋約90°にて右手関節背側中心の痛みが10から0(NRS改変)と消失し、右手関節背面橈側の痛みが残存した。
残存している右手関節橈側周辺の痛みの改善の施術へ移る。右手関節橈側周辺の筋にある筋の緊張が直接の痛みを発生させていると判断し、施術個所とする。
約2分、右手関節橈側周辺の筋へ緩消法を行い、筋の弛緩を触知した。右手関節他動ROMにて、背屈旋約90°にて右手関節橈側周辺の痛みが10から2(NRS改変)へと減少した。
施術終了後、腕立て伏せを実践すると右手関節に痛みはあるが今までの痛みの半分以下にまで減少したとのことだった。