【患者】 30代前半 女性
【主訴】 毎日10キロほどのランニングをしていたが、約3ヶ月前からお尻が痛くて走れなくなった。
【既往歴】 特記事項無し
【現病歴】 約3ヶ月前から右殿部下部に痛みが出現。特にランニング中に痛みが出現し、走行不能な状態となった。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】 30代前半 女性
【主訴】 毎日10キロほどのランニングをしていたが、約3ヶ月前からお尻が痛くて走れなくなった。
【既往歴】 特記事項無し
【現病歴】 約3ヶ月前から右殿部下部に痛みが出現。特にランニング中に痛みが出現し、走行不能な状態となった。
続きを読む【現症】 施術室内においてランニング中の痛みを再現することは困難とのことであったが、右膝関節90度屈曲の前後開脚動作で、右殿部に違和感が出現するとの訴えを認める。
【施術と結果】 本症例は、主にランニング中のみに疼痛が誘発されることから、室内での痛みの直接確認は困難であった。しかし、前後開脚で違和感が生じる箇所に本来の痛みの原因が存在している可能性を考慮し、当該違和感の消失を目標として施術を行うものとした。
まず、違和感の出現する箇所の直上にあたる腸骨稜、正中より約6横指右側周辺に筋緊張を触察にて確認し、ここを施術開始部位とした。
施術を開始し、時間ごとに触察にて筋肉の弛緩を確認するとともに、違和感の変化を確認した。約10分、15分、25分、30分と経過するごとに、前後開脚時の違和感は主観で10から9、10から6、10から5、10から2へと段階的に減少した。
当日夜、患者より「痛みは10から3と小さくなり、約3ヶ月ぶりに気持ち良く走れた」との報告を受けた。
【考察】 本症例において、3ヶ月持続していたランニング時の殿部痛が、腸骨稜(腰部下端)への施術により段階的に軽減し、走行可能となった事実は、疼痛の主因が殿部局所の組織損傷ではなく、腰部筋緊張に起因する骨盤帯の機能障害であった可能性を示唆している。月間200キロ以上の走行負荷に対し、腰部筋群の緊張が持続したことで坐骨周囲や大腿後面の筋・腱への牽引ストレスが増大していたものと推察される。同部位の弛緩に伴い、ランニング時の運動連鎖が正常化したものと考えられる。
【その他】 初回の施術で著明な走行機能の回復を認めたが、長距離走行による疲労蓄積や腰部の残存する緊張が再発を招く懸念は残る。今後は、根本要因と考えられる腰部および骨盤周囲の筋弛緩を継続していくことで、殿部への負荷軽減および再発防止に寄与する可能性があると考えられる。