【患者】80代前半、女性
【主訴】ベッドから起き上がるときに、腰が「キャッ」として痛く、起き上がるのが辛い。
【既往歴】左変形性膝関節症で通院歴あり(約3年前)
【現病歴】約15年前から特に誘因なく腰痛が発生。以降、痛くなったり自然と良くなったりを繰り返していた。現在は特に、起床動作時の腰痛が持続しているとのこと。約2ヶ月前から痛みが悪化し、起床時に補助を要する状態となったため来院した。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】80代前半、女性
【主訴】ベッドから起き上がるときに、腰が「キャッ」として痛く、起き上がるのが辛い。
【既往歴】左変形性膝関節症で通院歴あり(約3年前)
【現病歴】約15年前から特に誘因なく腰痛が発生。以降、痛くなったり自然と良くなったりを繰り返していた。現在は特に、起床動作時の腰痛が持続しているとのこと。約2ヶ月前から痛みが悪化し、起床時に補助を要する状態となったため来院した。
続きを読む【現症】仰臥位でのベッドからの起床動作時に、第4腰椎高位で正中より右側に約5横指外側の部位に痛みが出現し、起床動作が困難であった。また、側臥位へ移行後、ベッドから足を下ろし上肢を用いて起床する動作は可能であったが、強い痛みを伴い、施術開始前は補助が必要な状態であった。
【検査結果】レントゲン検査にて新鮮圧迫骨折なし
【施術と結果】本症例は、体幹の屈曲および回旋を伴う起床動作で痛みを訴えていることから、疼痛部位に加えて腰部側面の筋緊張が関与している可能性を推察し、施術部位とした。
まず施術者①が、痛みを訴える部位に対して施術を行った。約5分で弛緩を触知し、痛みは10から8(NRS改変)へと変化したとの報告を受けた。この時点で補助なしでの起床動作が可能となった。変化は確認されたものの、より大きな改善が期待できると判断し、腰部側面への施術を検討した。
次に施術者②に交替し、腰部側面への施術を行った。約10分で弛緩を触知し、痛みは10から2(NRS改変)へと軽減したとの報告を受けた。この時点では、側臥位への移行を必要とせずに上肢を補助として用いるのみで起床動作が可能となった。
その後、施術者①および②が交替しながら約5〜10分ずつ施術を継続した。合計約35分の施術で、痛みは10から0(NRS改変)と消失したとの報告を受けた。再発抑制にはさらなる筋緊張の弛緩が必要であることを説明し、施術を終了した。
【考察】本症例は、起床動作という日常生活動作において強い制限を伴っていた腰痛に対し、疼痛部位および腰部側面の筋緊張を段階的に弛緩させることで、短時間のうちに機能改善が得られた一例である。初期介入では局所の変化が確認されたものの、腰部側面への介入により起床動作の質が大きく改善したことから、体幹筋群の協調性が症状に関与していた可能性が示唆される。
【その他】施術は施術者①(渡邉)と施術者②(秦)が交替しながら行った。施術者が異なっても緩消法の効果が現れた症例であった。