【患者】60代前半 男性
【主訴】4日前、椅子に座ろうとしたら左腰にビリっと来て、それ以来腰をかがめていないと痛い。
【既往歴】-
【現病歴】4日前、真後ろではなく1つ横の椅子に座ろうと不自然に腰部を動かした際、腰部左側に鋭い痛みが生じた。以降、前傾姿勢を保持していないと腰部の痛みで思うように動けない。近医整形外科を受診したところ急性腰痛症と診断を受け、鎮痛剤を処方された。約20年以上に亘り、2年に1回程のペースで腰部に同様の痛みが起こっている。
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【現症】腰部全体に安静時痛が有り、特に腰部左側に強い痛みを訴えている。時間の経過とともに症状は改善傾向に有るが、胸腰部伸展約-10°で腰部の痛みが増悪し、痛みによる可動域制限が確認できた。施術時の椅坐位姿勢も、胸腰部屈曲位を保持していなければ椅坐位姿勢を保てない。
【施術と結果】本症例は、腰部の不自然な動作によりぎっくり腰を発症しており、目視と触察により腫脹や熱感が確認できないことから、腰部の筋緊張が要因と考えた。
先ず、腰部側面を触察したところ筋緊張を確認した為、第3腰椎高位の腰部側面から緩消法を約10分施術し筋弛緩を確認。結果、腰部の安静時痛は10から8(NRS改変)と小さくなり、主観により胸腰部伸展約0°まで体幹を伸展させても腰部の痛みは増悪しないと報告を受けた。
体幹を起こした状態で、更に腰部側面に緩消法を約10分施術し筋弛緩を確認。結果、腰部の安静時痛は10から5(NRS改変)と小さくなり、日常の動作を自然に行えるまでに改善した。ご本人の希望により、残りの時間は他部位の施術へと移行し終了した。
「なぜこれで痛みが消えるのかまだ半信半疑だが、確実に楽になった」とお喜びいただいた。