【患者】40代後半 男性
【主訴】包丁を使っている時に突然右手首の真ん中にズキッと痛みが走った。
【既往歴】―
【現病歴】前日の夕食の支度中、包丁を使っている時に右手関節掌側周辺に痛みが出現。料理の入った鉄のフライパンを持つ時にも同部位に痛みが出現。
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【現症】右手関節掌屈及び右前腕回内・回外動作時に右手関節掌側周辺に痛みが出現。安静時痛なし。
【施術と結果】本症例は、右手関節掌側周辺に痛みが出現しており、明らかな外傷は認められないことから、急性外傷ではなく筋緊張による血行不良が痛みの要因と考えた。
はじめに、右前腕回内・回外動作で触察したところ、右前腕の橈骨の中央外側より約2横指近位部に強い筋緊張を確認した。筋緊張部位に緩消法を約15秒施術し筋弛緩を確認した結果、右前腕回内時の痛みが10から5(NRS改変)と小さくなった。
次に、右手関節掌屈動作で右手関節掌側周辺に痛みを訴えたため触察したところ、右前腕の屈側の中央部に強い筋緊張を確認した。筋緊張部位に約1分30秒施術し筋弛緩を確認した結果、右手関節掌屈時の痛みが10から3(NRS改変)と小さくなったが、荷重物を把持したところ右手関節掌側周辺にズキッとした痛みが出現したとの報告を受けたため、痛みが出現する右手関節掌側周辺の筋緊張部位に約1分施術し筋弛緩を確認した結果、右手関節掌屈時の痛みと荷重物を把持したときの痛みが10から0(NRS改変)と消失した。また、右前腕回内・回外動作でも痛みが出現しなくなり、安堵の表情を浮かべていた。