3ヶ月前の右膝骨折術後に発現した右足関節痛の改善例
【患者】50代前半 女性
【主訴】膝の骨折後、負担がかかったのか、右足首に痛みと腫れがある。
【既往歴】右膝骨折術後
【現病歴】3ヶ月程前に脚立から落下し右膝を骨折し手術した。その際に右足関節自体の外傷は確認できなかったがその後、歩行荷重時に痛みと浮腫が発現した。近医整形外科でリハビリ及び鍼治療を経て来院された。
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【現症】右足関節に安静時痛はなく、痛みは歩行荷重時のみである。関節可動域制限は確認できない。軽度の浮腫が確認できる。痛みの発現箇所は右足関節前面及び外果周辺である。
【施術と結果】本症例は右足関節の歩行荷重痛を訴えているが、要因の一つとなった右膝関節骨折受傷時に右足関節の外傷は確認できていない為、右足関節周辺の筋緊張による血行不良であろうと考えた。実際に右足関節周辺を触察すると熱感と腫脹は確認できなかった。
先ず、痛みを訴える右足関節前面及び外果周辺の筋緊張の要因として考える同箇所の真上にあたる右上前腸骨棘周辺を触察すると腹斜筋辺りに筋緊張が確認できた。同箇所に緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。その結果、歩行荷重時痛が10から3(NRS改変)となった。効果が確認できた為、更に緩消法を約2分行い筋弛緩は確認できたが痛みの軽減が認められなかった為、施術箇所を変更する事にした。
次に痛みを訴える右足関節周辺を指差ししていただき触察し、筋緊張を確認した。同箇所に緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。その結果、左足関節周辺の歩行荷重時痛は10から2(NRS改変)となった。その後も同箇所周辺及び下肢への血行不良改善を目的とし、腰部の筋弛緩を行った。その結果、痛みのそれ以上の軽減は確認できなかったが右足関節周辺の浮腫は消失した様に思われた。
痛みが完全消失した訳ではなかったが、大幅に改善され満足された様子であった。