【患者】30代後半 女性
【主訴】2ヶ月前にぎっくり腰をして以来、腰とお尻の痛みが続いている。
【既往歴】-
【現病歴】腰痛は中学生の時から慢性的にあるが、2ヶ月前に引っ越しの準備をしていて重い物を持ち運んだ際にぎっくり腰になり、改善せず痛みが続いている。ご家族の勧めで来院された。
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【現症】安静時痛はないが寝起き時や椅子への着座及び立ち上がり時、歩行時、立位保持の際に腰部から左右殿部及び大腿部後面、外側に痛みが発現する。左側が優位である。
【施術と結果】本症例は腰部及び左右殿部から大腿部までの痛みを訴えているが、安静時痛がなく痛みの発現から2ヶ月経過しており腰部の目視及び触察により腫脹、熱感が確認できなかった為、痛みの要因は腰部の筋緊張による血行不良であろうと考え施術を開始した。
先ず、痛みを一番感じる箇所をお聞きしたところ、左殿部中殿筋付着部の腸骨稜辺りを訴えた為、同箇所周辺を触察すると第4腰椎高位の広背筋付着部辺りに約2cm程の範囲に筋硬結の様な固まりを確認した。同箇所及び腰部右側の中殿筋付着部の腸骨稜辺りに緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。
その結果、右中殿筋辺りの痛み及び大腿部後面の痛みは10から0(NRS改変)と消失した。左腸骨稜辺りは筋硬結の様な固まりが約1cmになり、左大腿部後面の痛みは10から0(NRS改変)と消失し、左中殿筋辺りの痛みは10から7(NRS改変)となった。効果が認められた為、さらに同箇所に引き続き緩消法を約5分行い、約1cmあった筋硬結の様な固まりの筋弛緩を確認した。その結果、左中殿筋辺りの痛みは10から0(NRS改変)と消失した。
次に痛みが現存する大腿部外側の痛みは第3腰椎辺りの高位で腰部側面の表面から正中に向かって約5cmの位置の筋緊張が要因と考察し、同箇所を表面から緩消法により筋弛緩させていった。約20分程行い開始前約1cmであった押圧深が約5cm程になり、痛みを確認すると10から0(NRS改変)と消失したとの報告を受けた。
ご家族の勧めで半信半疑で来院された様子であったが、一度の施術で痛みが改善し満足された様子であった。