【患者】30代後半 女性
【既往歴】−
【主訴】股関節が痛くて歩きにくい。
【現病歴】約3年前の引越し作業をきっかけに、右脚荷重時に右股関節痛が発生し、整体、鍼灸院、整骨院等、定期的に通院している。痛みの出現時には痛み止めを服用している。
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【現症】歩行時の荷重応答期に右股関節痛が発生する。また、股関節屈曲動作でも右股関節痛が発生するが関節可動域制限は確認できない。
【施術と結果】本症例は、歩行時の荷重応答期に右股関節痛が発生しており、目視及び触察により腫脹や熱感が確認できないことから、右股関節周辺の筋緊張が痛みの要因の一つと考えた。
まず、最も痛みの強い部位を指示していただくと、右鼡径部の中央周辺を示した為、触察により右鼡径部の中央周辺に筋緊張を確認した。同部位周辺に緩消法を約2分施術し、筋弛緩を確認した。その結果、痛みが10から5(NRS改変)と小さくなった。症状に変化が確認出来た為、さらに同部位周辺の筋緊張部位に緩消法を約3分施術した。その結果、痛みが10から3(NRS改変)と小さくなった。
症状に変化が確認出来たが、右鼡径部中央周辺の筋は比較的弛緩していることから、右上前腸骨棘周辺の筋緊張による血行不良が痛みの要因の一つであると考えた。触察により右上前腸骨棘周辺の筋緊張を確認した。同部位周辺に緩消法を約5分施術し、筋弛緩を確認した。その結果、痛みが10から0 (NRS改変)と消失した。
股関節痛の再発抑制には腰部の筋弛緩が必要である事を説明し、残りの時間は股関節周辺の筋緊張を誘発すると考えられる腰部側面への施術に移った。触察にて腰部側面に筋緊張を確認し、緩消法にて約20分施術し、筋弛緩を確認し終了した。
「どこへ行っても治らなくて諦めていた。歩くのが痛くて辛かったけど、こんな簡単に楽になると思わなかった。自分で腰を軟らかくするやり方を覚えて治したい。」と大変喜んだ様子で笑顔で帰路につかれた。