【患者】40代後半 男性
【主訴】首を右に倒すと左首の奥の方が痛い。
【既往歴】ー
【現病歴】高校生の時に頚部左側に痛みを発症し、ありとあらゆる治療法を試したが30年たった現在も頚部左側に運動時痛が残存している。
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【現症】頚部自動関節可動域(以下、ROM)右側屈約10°の肢位で第3頚椎(以下、C3)棘突起から左に約5cmの部位に運動時痛を訴える。
【施術と結果】本症例は高校生の時から頚部左側の運動時痛を訴えており、目視および触察で内出血・腫脹・熱感は確認されなかったので、運動時痛の要因は筋緊張と考えて患部周辺を触察したところ、頚部左側から左肩甲骨内側縁にかけて筋緊張が確認された。
先ずは最も強い運動時痛を訴えるC3棘突起から左に約5cmの筋緊張部位に約30秒施術し筋弛緩を確認した。その結果頚部左側の運動時痛は10から8(NRS改変)となった。次に同部位に約2分施術し筋弛緩を確認しその結果頚部左側の運動時痛は10から4(NRS改変)となった。
痛みの箇所を再度確認したところ、痛みはC3棘突起から左に約4cmの辺りに移動したため、更に約30秒施術し筋弛緩を確認した。その結果頚部左側の運動時痛は10から2(NRS改変)となった。更に同部位に約2分施術し筋弛緩を確認し運動時痛は10から0(NRS改変)となり消失した。
高校生以来、どこへ行っても痛みが消えなかったので、大変喜ばれた。頚部の痛みは腰部の筋緊張が根本要因であることを説明し、残りの時間は腰部の筋弛緩に費やした。