【患者】40代前半女性
【主訴】右親指の付け根が痛い
【既往歴】ー
【現病歴】約4ヶ月前荷物などを運んだことがきっかけで痛みが発生し、継続的に同様の動作を日々していたところ、約2週間後に激痛となり、近医整形外科受診しCM関節症と診断されサポーター固定と外用薬処方される。安静により軽減したが、物を把持する動作で痛む。
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【現症】把持する動作(四指と母指対立運動)にて第1手根中手骨関節(以下、母指CM関節)周辺部に疼痛発生。ペットボトルの蓋が開けられない。
【施術と結果】本症例は母指CM関節周辺部の痛みが長期に残存していて慢性化している為、患部周辺部の筋緊張が痛みの要因の1つと推測し、痛みが残存している原因として、腰部の筋緊張による上肢への血行不良であると考えた。
まず右手関節橈側近位の筋緊張に緩消法を約30秒行い筋弛緩を確認した。痛みが10から9(NRS改変)に小さくなった。短母指伸筋と長母指外転筋と思われる周辺部の筋緊張に対し緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。痛みが10から5(NRS改変)に小さくなった。次に原因と考えた腰の側部を触察すると体表より押圧深約1cmを確認した。緩消法を約10分行い筋弛緩が確認でき押圧深約3cmとなった。右母指CM関節周辺部の痛みが10から2(NRS改変)に小さくなり荷物の把持は問題なく移動することができる様になった。
ペットボトルの蓋を開けていただくと、痛みがあるが、開けることができなかったことが可能となり、非常に喜んでいただきました。2回目の施術にて母指CM関節周辺部筋の弛緩と腰部への緩消法を約20分行い筋弛緩を確認した結果、痛みが10から0(NRS改変)に消失し、ペットボトルの開閉が容易となった。