一週間続いている腰部左側から左脹脛外側の痛みが、腰部側面の押圧深体表より約8cmの筋弛緩で改善した一例
【患者】80代前半 女性
【主訴】左の腰からお尻と大腿の外側から脹脛にかけてずっと痛い
【既往歴】ー
【現病歴】
一週間前に庭仕事をした後、腰部左側から臀部にかけて痛みが発生し、日増しに痛みが、左大腿外側から脹脛外側にかけても発生するようになった。現在は安静時痛もある。
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【現症】
動作の違いによる痛みの変動はほぼ無く、歩行は可能であるが、常に痛みを感じているので気持ちも晴れない。
【施術と結果】
本症例は、一週間前の庭仕事後に発生した腰部左側から脹脛外側にかけての痛みを訴えており、目視・触察にて熱感や腫脹は確認できなかったことから、痛みは筋緊張による血行不良が要因と推測した。また、左臀部の痛みは体表ではなく深部に感じるとのことから、痛みの要因となっている箇所は深部にあるだろうと考えた。
触察にて腰部側面の押圧深、体表より約3cmに筋緊張を確認。同部位に約2分間施術し、押圧深約5cmになった結果、左大腿外側の痛みが10から0(NRS改変)と消失。その他の痛みは、腰部左側10から6(NRS改変)。左臀部10から8(NRS改変)。左脹脛外側10から8(NRS改変)となった。腰部側面の筋弛緩は有効であると判断し、約13分施術し、体表より押圧深約8cmとなった結果、腰部左側、左臀部、左脹脛外側の痛みが全て10から0(NRS改変)と消失した。
臀部に痛みを訴えている際には、痛みを訴える部位から頭側に向かった腸骨上縁周辺の施術を行うことが多くあるが、腰部側面の施術のみで痛みが消失したことは、要因の箇所が深部にあると推測したことが正しかったと考えられる症例であった。