【患者】30代後半、女性
【主訴】手術後から腰が痛くて前かがみができない
【既往歴】特記事項なし
【現病歴】もともと軽度の腰痛があったが、治療に行く程の痛みではなかった。約1週間前に婦人科で、腰椎麻酔下での子宮頚部レーザー切除術を受けた。手術当日、手術室にて麻酔科医から腰椎麻酔を受ける時、脊椎麻酔針の刺入時に、腰に電気が走ったようなビリッとした感じがあり、針の刺入を一度やり直した。手術自体は滞りなく無事に終わった。
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【現症】下腹部に術痕なし。立位での胸腰部関節可動域(以下、ROM)は前屈約15°で腰部左側に痛みが出現し、それ以上の前屈ができない。
【検査所見】下肢の神経学的異常なし
【治療と結果】下肢に知覚鈍麻等の神経学的異常が無く、また、触診にて第2~4腰椎高位の左脊柱起立筋群の筋緊張が健側と比し高かったため、本症例の痛みは、針刺入時に痛みを感じた時に腰部の筋緊張が瞬間的に亢進し、その残存・継続によるものと考えた。
まず、立位での胸腰部前屈時に一番痛みを感じる部分を指一本で示してもらい、その部分に緩消法を実施。約2分後、同部の筋弛緩を確認。立位での胸腰部ROM前屈約15°での痛みは10から8(NRS改変)と小さくなった。効果があったため続けて実施。約5分後、更なる筋弛緩を確認。立位での胸腰部ROM前屈約15°での痛みは10から5(NRS改変)と小さくなった。
次に、同部および同部周囲の筋群にも実施。約5分後、立位での胸腰部ROM前屈約15°での痛みは消失し、約40°まで可能になった。その時の痛みは10から2~3(NRS改変)と当初と比し減少。更に約10分実施後、立位での胸腰部ROM前屈約40°での痛みは消失し、約60°まで可能になった。その時の痛みは10から2~3(NRS改変)と当初と比し減少。
「最初より痛みが減って、前かがみができる」と満足して頂けた。