【患者】60代後半、女性
【主訴】物を見た時に、物が2つに見える、ぼけて見える。
【既往歴】バセドウ病、腰痛症、肩こり
【現病歴】約4年半前よりバセドウ病と診断されて以来、右眼球が下がり黒目が半分しか見えない状態である。徐々に視力低下し、物がぼやけて見える状態である。
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【現症】来院された際に、私の姿が隣同志に2人いるように見えるとご報告された。視界もぼけて見える。右眼球が下がり、黒目が半分しか見えないので、恐い印象を受ける。ご自身でも認識しており、どうにか治して行きたいとのこと。
【治療と結果】本症例は、頚部の筋緊張により毛様体筋などの筋が引っ張られることにより眼球が下がったと考えられる。視力が低下しているのも頚部の筋緊張により内頸動脈が圧迫され、眼への血行不良が考えられる。
先ずは、右頚部の内頸動脈を圧迫している耳の後ろ側、乳様突起周辺を触察すると、筋硬結様が見つかった。その箇所に緩消法を2分施術した。今度は、頚部左側の同じ箇所を触察すると、やはり筋硬結様が見つかり、その箇所に2分施術を行った。結果、ぼやけて見える状態が、2割ほど減少したとご報告を受けた。
眼球が下がっている事に関しては、頚動脈の上部から下部までの筋を全体的に、日にちを分けて施術を行い、累計で右側30分左側30分ほど弛緩し、眼球が元の位置へと戻って行った。腰部側面の筋弛緩も数日に分けて行い、押圧深は5cm以上入るようになっている。
腰の筋緊張が弛緩することで頸部の筋緊張が緩和し眼球周辺への血流が改善した結果、毛様体筋の働きが改善したと思われる。
どうして良いか困っていたので、とても喜ばれて感謝の気持ちを頂き帰られた。