【患者】70代前半 女性
【主訴】足全体が痺れていて、ジクジク、モヤモヤして眠れない。足先が冷える。
【既往歴】ー
【現病歴】約10年前から誘因なく下肢に痺れが発生し、不眠状態。特に左下肢の痺れが強い。近医整形外科受診も、異常なしとの診断。心療内科への受診を勧められている。
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【現症】車で約2時間30分かけて来院されたが、乗車中ずっと座っているのも辛く、常に痺れている。足底を床にちゃんとついて歩いている感覚がなく、歩幅は小さい。腰部側面の押圧深約1㎝。
【施術と結果】本症例は下肢全体の痺れを訴えており、下肢の冷えも訴えている事から、腰部の筋緊張による下肢への血行不良が要因と考えた。
まず、腰部側面に緩消法を約5分行い、筋弛緩を確認した。その結果、左右足背の痺れが主観で7割減となった。症状に変化があったため、引き続き腰部側面の緩消法を約10分行い、腰部側面の押圧深が約2.5㎝になったところで症状の変化を確認したところ、左右足背の痺れは主観で9割減となった。大腿部と下腿の痺れが残存しているとの事で、鼡径部周辺を触察したところ、左右ともに筋緊張を確認し、特に左鼡径部に強い筋緊張を確認した。まず、左鼡径部に約2分緩消法を行い、筋弛緩を確認した。その結果、左大腿部の痺れは主観で5割減となった。左下腿の痺れもあるとの事で、左膝窩を触察し、筋緊張を確認したため約1分緩消法を行い、筋弛緩を確認した。
その結果、左下腿の痺れは主観で9割減となった。左大腿部の痺れが気になるとの事で腰部を再度触察したところ、中臀筋上部の腸骨稜周辺に筋緊張を確認したため、緩消法にて約5分筋弛緩を行った結果、主観で大腿部の痺れは消失し、足背、下腿の痺れも消失した。歩行時の歩幅も来院時より大きくなり、翌日「よく眠れた」との報告を受けた。