【患者】30代前半 男性
【主訴】首痛が常にある
【既往歴】ー
【現病歴】一週間前より頚部背側に痛みが生じ、近医整形外科を受診しレントゲン検査の結果、骨には異常なしと説明され、痛み止めを処方された。常に痛みがあるため、治るか不安に思い、既存患者さんの紹介で来院された。
続きを読む
【現症】薬が効いているときは痛みは多少軽減するが、可動域制限があり、歩行時の振動でも痛みが頚部に響く。
頚部関節可動域(以下、ROM)自動 屈曲約5°伸展約10°左回旋約30°右回旋約20°で頚部背側に運動時痛が増す。肩部、背部には強張り感がある。
【施術と結果】本症例は、誘因なく頚部背側にROM制限を伴う痛みを訴えているが、近医整形外科にて、骨には異常が無しと診断受けていることと、痛みが発生してからも通常通り仕事は続けられている事を踏まえ、目視、触察では熱感や腫脹が無いため日常の仕事で起こった筋緊張が主な要因であると推測した。また、頚部のROM制限と肩、背部の強張りは胸腰部の筋緊張も要因であることを考えた。
先ず、頚部のROM制限があることから、頚部への施術の前に胸腰部の筋弛緩で様子を見ることを考えた。触察にて腰部側面の押圧深約5mmに筋緊張を確認し、約2分施術を行い押圧深約1.5cmとなった結果、頚部ROM自動、左回旋約35°右回旋約25°となった為、更に約5分施術し押圧深約3cmとなり、、頚部ROM自動、左回旋約40°右回旋約30°となったが、屈曲伸展にはさほど変化がみられなかった為、第10肋骨下縁から第12肋骨下縁を触察し、筋緊張を確認した為、約2分施術し、筋弛緩を確認した結果、頚部ROM自動、屈曲約20°伸展約30°左回旋約50°右回旋約30°となった。同部位の筋緊張が十分に弛緩するまで約10分更に施術を行った結果、頚部ROM自動、屈曲約40°伸展約50°左回旋約60°右回旋約40°となった。
次に、頚部ROM自動の屈曲と右回旋の改善の為、頚部の施術に移った。頚部背側を触察し筋緊張を確認した。特に右側の筋緊張が強いように見受けられた為、右側に約2分施術し、筋弛緩を確認した結果、頚部ROM自動、右回旋は約60°となった。他の頚部背側の筋緊張部位に約5分施術を行い、筋弛緩を確認した結果、頚部ROM自動、屈曲約60°となり痛み10から1(NRS改変)となった。
「治るのか不安でしかたなかったが、とても安心しました。」と穏やかな表情でお帰りになられました。