【患者】60代後半 女性
【主訴】首が痛くて上を向けない。
【既往歴】変形性頚椎症、変形性腰椎症
【現病歴】約2週間前に起床時に頚部の運動痛を発症した。数日で症状は自然に緩解したが、3日前の起床時に同症状が再発し運動痛が残存している。
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【現症】頚部自動関節可動域(以下、ROM)伸展約20°で第6頚椎(以下、C6)右側に運動痛を訴える。
【施術と結果】本症例は、頚部自動伸展時の運動痛を訴えており、疼痛部位を目視および触察したが内出血や熱感は確認できなかったため、痛みの要因は筋緊張による血行不良と考え疼痛部位周辺を触察したところ、C4からC7高位の頚部右側の脊柱起立筋周辺に策状に触れる筋緊張が確認された。
はじめに最も強く運動痛を訴える正中から右約2cmのC6高位の脊柱起立筋周辺に、約2分施術し筋弛緩を確認した。その結果頚部自動伸展時の運動痛は10から6(NRS改変)となり、頚部ROM伸展約30°となった。最も強く運動痛を訴える部位がC7周辺になったので、施術部位をC7高位の正中から右約2cmの脊柱起立筋周辺に変更し、約2分施術し筋弛緩を確認した。その結果頚部自動伸展時の運動痛は10から4(NRS改変)となり、頚部ROM伸展約35°となった。最も強く運動痛を訴える部位がC5周辺になったので、施術部位をC5高位の正中から右約2cmの脊柱起立筋周辺に変更し、約1分施術し筋弛緩を確認した。その結果頚部自動伸展時の運動痛は10から0(NRS改変)と消失し、頚部ROM伸展約45°となった。
上を向いても大丈夫になった、と喜んでおられた。