2日前に階段を上った際に発現した右殿部から大腿部にかけての痛みの改善例

【現症】痛みは右上後腸骨棘周辺から右大腿二頭筋周辺にかけての範囲で安静時痛がある。日常動作による運動痛の増悪は特にない。
【施術と結果】本症例は安静時を訴えているが、痛みの部位を目視及び触察した結果、熱感、腫脹が確認できなかった為、痛みを訴える右上後腸骨棘周辺から右大腿二頭筋周辺の痛みの要因は同部位の筋緊張による
　血行不良であろうと考えた。さらには同部位の痛みがご本人の主観により深部の痛みであるとお聞きした為、根本的な要因として、腰部の深層筋周辺の筋緊張ではないかと考察した。但し、右上後腸骨棘周辺の痛みは、その真上の腸骨稜周辺の筋緊張による場合がある為、先ずは腸骨稜周辺を触察し、筋緊張を確認した。同部位に緩消法を約1分行い、筋弛緩を確認した。その結果、主観として動き易さは認められたが、痛みの軽減は確認できなかった。改めて本症例の痛みの要因は腰部深層筋の筋緊張であると認識した。腰部全体を触察すると表層から筋緊張が現存する為、腰部側面の表層部から筋弛緩させる事が必要と考え、同部位に緩消法を約10分行い筋弛緩を確認した。押圧深は約1cmから約3cmになった。ただ、痛みの軽減は確認できない。さらに施術を約30分行い筋弛緩を確認し、押圧深は約5cmになった。その結果、上後腸骨棘周辺の痛みは10から1(NRS改変)となり、大腿二頭筋周辺の痛みは10から0(NRS改変)と消失した。一回の施術での効果が大きかった為、感心しきりでした。