【患者】70代前半 女性
【主訴】
頭の右側から後頭部にかけて脈打つように血が流れている感じがして、触ると過敏な痛みがする。
【既往歴】肺結核術後、卵巣腫瘍術後
【現病歴】一週間前から後頭部右側に違和を感じ始め、徐々に頭頂部右側まで拡がってきた。
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【現症】
違和感がある所を触れると表面に響くような過敏痛がある。触れなければ違和感程度で日常生活は問題なく送れている。医療機関への受診はない。
【施術と結果】本症例は、一週間前より続いている頭部表面の過敏痛を訴えており、医療機関の受診はなく、脳疾患の可能性も考えられたが、患者さんの主観として痛みの程度は日常生活が問題なく送れている認識があった為、頭部及び、頚部の筋緊張による血行不良が要因と推測した。
また、疼痛部位の遠位から施術を行い様子を観察しながら進めていこうと考え、肩部全体を触察し、右僧帽筋の肩甲骨上縁から後頭部、肩甲挙筋に筋緊張を確認した。右肩甲骨上縁の筋緊張部位に約30秒施術し、筋弛緩を確認するも痛みに変化無し、次に右肩甲挙筋の筋緊張部位に約1分施術し、筋弛緩を確認した結果、後頭部の痛みは10から5(NRS改変)となり、痛みの範囲が狭くなったと患者さん主観で報告を受けた為、更に約1分施術した結果、後頭部の痛みは10から0(NRS改変)と消失した。頭頂部右側の痛みは10から7(NRS改変)となっていた。
このことから当初推測したように、頭部、頚部の筋緊張によるものであろうと再認識した。続いて、頭頂部右側の痛みに対して後頭部を触れるようになったことから、右後頭前頭筋の下縁に沿って触察したところ、僧帽筋、胸鎖乳突筋の後頭骨付着部周辺に筋緊張を確認した。約1分ずつ施術し筋弛緩を確認した結果、頭頂部右側の痛みが10から0(NRS改変)と消失した。