【患者】40代後半、女性
【主訴】左に体を傾けると腰の奥に痛みがある
【既往歴】-
【現病歴】10代後半から腰痛と肩こりは自覚していたが日常生活に支障はなく放置していた。椅座位での仕事に就きほとんど動かなくなり、仕事内容は身体に力みを伴う作業が多かった。正確な発生時期は不明とのことだが、腰部左側の痛みが強くなっていき、椅座位での作業が苦しくなってしまった。定期的に体を動かすことで長時間の椅座位をしなくなったが、腰部左側の痛みは依然として残存していた。
約1年前、不意の動作で腰部左側に激痛が走り、数日間、寝込むことがあり、痛みが和らぎ歩けるようになってから腰部左側の奥に痛みと違和感を覚えた。左に体を倒すと腰部左側の奥に激痛が走るので動くことが怖くなってしまった。
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【現症】直立での安静時、腰部左側に軽度の痛みがあり、本人の自覚では腰の奥に痛みを感じるとのこと。胸腰部自動関節可動域(以下、ROM)左側屈20°にて第3腰椎高位左側周辺に激しい痛みが発生する。胸腰部ROM前屈・後屈・回旋時には激しい痛みの発生はなかった。
【施術と結果】本症例は、胸腰部ROM左側屈時のみに腰部左側に激しい痛みが発生している例である。胸腰部ROM左側屈時に、腰部左側に痛みが発生している為、収縮した筋に痛みがあるならば、痛みを発している箇所に筋硬結のようなものがある可能性がある。
第3腰椎高位左側周辺の押圧深約4cmの箇所に筋硬結のようなものが確認できる。胸腰部ROM左側屈時の痛みを発している筋と同一箇所と推測し筋弛緩に入る。
緩消法を約2分行い、筋が弛緩したので自動ROMと痛みの再確認を行う。胸腰部自動ROM左側屈20°にて第3腰椎高位左側周辺に発生する痛みが10から2(NRS改変)となった。
筋を弛緩することで痛みが軽減することを本人が自覚され、今後も自分で緩消法を覚え痛みを治していく事となった。