左鎖骨・左肋骨多発骨折後から発生した左肩関節挙上時の可動域制限の改善例

【現症】左肩関節自動関節可動域（以下、ROM）前方挙上は約60°が限界であった。
【施術と結果】本症例の左肩関節前方挙上時の可動域制限は、受傷から約2ヶ月が経過していることから、左肩関節・胸部に筋緊張が残存している事が要因であると考えた。
　触察にて左肩関節前方挙上時に左大胸筋停止部周辺と鳥口腕筋起始部周辺に筋緊張が確認できたため、各部位に緩消法を約5分行い、筋弛緩を確認した。結果、左肩関節の前方挙上は約70°と大きくなった。可動域に改善がみられた為更に同部位に約10分施術し、筋弛緩を確認した。結果左肩関節前方挙上は約100°と大きくなった。再度左肩関節前方挙上時の左肩関節を触察すると、施術部の筋弛緩を確認し、左大胸筋上部の広範囲に筋緊張を確認した為、大胸筋上部周辺を約5分施術し、筋弛緩を確認し、結果左肩関節前方挙上可動域は約120°と大きくなった。
　後日「手が挙がるようになって着替えが楽になった」と報告があった。