3年程前から続くスローイング時のROM制限を伴う右肩関節痛の改善効果
【患者】40代後半 男性
【主訴】ボールを投げるとき、右肩の痛みと突っ張り感があって投げ辛い。
【既往歴】-
【現病歴】3年程前から送球がしづらくなり、ボールを持つ右手が右耳付近に近づくにつれ右肩関節に引張感が生じ、スローイングの際、右肩関節に痛みが発生する。
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【現症】安静時痛は無し。右肩関節可動域(以下、ROM)は自動で外転約90°・外旋約30°でROM制限を確認し痛みが発生。
【施術内容・結果】本症例は触察による熱感も無く痛みが慢性化している事から、外傷性ではなく、右肩関節周辺の筋緊張が痛みと右肩ROM制限の要因であろうと考えた。
初めに触察により右烏口突起周辺と右肩甲骨外縁周辺に筋緊張を確認した為、右烏口突起周辺の筋緊張部位に緩消法を約30秒施術し筋弛緩を確認。結果、引張感は主観で約5割減との報告を受け、痛みは10から7(NRS改変)と小さくなった事を確認できたので、引き続き同部位に緩消法を約1分施術し筋弛緩を確認した結果、引張感は主観で約8割減との報告を受け、痛みも10から5(NRS改変)と小さくなった事を確認できた。右肩ROMの確認を行ったところ、自動で外転約100°・外旋約45°と大きくなったが、変化が少ない事から、触察にて確認していた右肩甲骨外縁周辺に施術部位を移し、筋緊張部位に緩消法を約30秒施術し筋弛緩を確認。結果、右肩ROMは自動で外転約120°・外旋約60°と大きくなり外旋のROM制限は確認できなくなり、痛みは10から3(NRS改変)と小さくなった。引き続き同部位に緩消法を約1分施術し筋弛緩を確認した結果、右肩ROMは自動で外転約180°と大きくなりROM制限は解除され、痛みも10から0(NRS改変)と消失し、引張感は主観で消失したと報告を受けた。
施術後、スローイング動作で確認してもらうと、痛みや引張感なく動かす事ができ、次の試合がとても楽しみだと喜んでいた。