右股関節術後、右股関節を庇うように歩行する癖がついてしまい痛くなった左股関節の改善例

【現症】左股関節周辺に安静時痛あり。左股関節周辺に荷重痛があり、歩行により痛みが増悪する。
【施術と結果】本症例は左股関節周辺に痛みを訴えている為、左股関節周辺の筋緊張が要因と考えた。
　まず、左鼡径部を触察したところ左鼡径部中央付近に筋緊張を確認したため、緩消法を約1分間行い、筋弛緩を確認した結果、安静時の左股関節周辺の痛みは10から7（NRS改変）と小さくなった。痛みに変化があったため同部位への筋弛緩を約1分継続し筋弛緩を確認した。
　その結果、安静時の左股関節周辺の痛みは10から6（NRS改変）と小さくなったが、大きな痛みの変化がなかったため、次に左上前腸骨棘付近の筋緊張が左股関節の痛みの要因と考え、左腸骨稜周辺の触察をしたところ、左上前腸骨棘付近にしこりのような筋緊張を確認したため、緩消法を約2分行い、しこりのような筋緊張が消失したことを確認した。
　その結果、安静時の左股関節周辺の痛みは10から3（NRS改変）と小さくなった。確認のため立位で左下肢へ荷重したところ左股関節周辺の荷重痛は10から2（NRS改変）と小さくなったが、立位での左下肢荷重時に左臀部外側の痛みを訴えたため、痛みを感じる部位を触察したところ左腸骨稜外側周辺に筋緊張を確認したため、約2分緩消法を行い筋弛緩を確認した。
　その結果、左股関節周辺の安静時痛、立位での荷重痛ともに10から0（NRS改変）と消失した。その後も右股関節を庇うような歩行をしているように見受けられたが、翌日「全く痛くない」と驚きの喜びの連絡をいただき、その後、左股関節の手術は取り止めたとの報告を受けた。