【患者】30代後半、男性
【主訴】左足の手術痕が痛い、腰痛
【既往歴】左腓骨骨折
【現病歴】2か月前の事故により左腓骨下部を骨折し近医整形外科にて手術を行う。骨折は治ったが手術痕に痛みがあり、軽く触れると痛みが走る。
続きを読む
【現症】手術痕は外果の上部から膝方向に約10cm。目視により赤くなっているように見えるが腫れてはいないと思われる。本人も熱感はないが時々痛みがあり、物に当たったり触れたりすると痛みが出るとのこと。その他、腰痛や臀部痛などの慢性痛もあるようだが、本人の主訴である手術痕の痛みの改善を進める。
【施術と結果】本症例は左腓骨骨折手術の後遺症と考えられる。手術後2ヶ月が経過しているので皮膚・筋などの治癒もしていると推測。腓骨の状態も近医整形外科より治癒しているとのことで腓骨には問題ないとした。触知により手術痕には多少の盛り上がりを感じた。
触知により痛みが発生し、特に外果周辺は痛みが大きくなり、触知した感覚も傷口に柔らかさがあることから外果周辺は治癒しきっていない可能性が高いと考え、左外果周辺の施術は避けることとした。左外果より膝方向に約2cmから触知による傷口の癒着のようなものが感じられ本人も痛みが発生している箇所である、との事だった。
施術部位は左外果より膝方向に約2cmから始める。左外果より膝方向に約2cmにある癒着のような筋の硬さを触知し、筋弛緩を行う。筋の弛緩を感じたため痛みの状態を確認する。左外果より膝方向に約2cmの痛みが10から2(NRS改変)となる。続けて左外果より膝方向に約4cmにある癒着のような筋の硬さの筋弛緩を行う。左外果より膝方向に約4cmの痛みが10から4(NRS改変)となる。
手術による傷の後遺症による痛みが緩消法によって痛みを軽減させることができた一例であった。