【患者】60代後半 女性
【主訴】ちょうど2週間前に寝違えをして、まだ右の首に痛みが残る。
【既往歴】白内障術後
【現病歴】2週間前、起床時に頚部右側全体に痛みが発生。発生時より軽減しているものの、まだ頚部右側面に痛みが残存。痛みによる頚部関節可動域(以下、ROM)制限有り。
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【現症】頚部右側面に安静時痛有り。頚部ROMは自動で、左側屈約40°、右側屈約20°で頚部右側面の痛みが増大する。
【施術と結果】本症例は、起床時に誘因無く頚部右側全体に痛みが発生しており、触察と目視による腫脹や熱感が感じられない事から、頚部右側面の筋緊張が要因と考えた。
先ず、頚部左側屈約40°で痛みが増大する部位を触察したところ、第2~3頚椎高位で棘突起から右外側に約2cmの部位に筋緊張を確認した為、緩消法を約20秒施術し筋弛緩を確認した結果、頚部左側屈約40°で痛みが増大することがなくなり、頚部左側屈のROM制限は解除されたものの、安静時痛は変化無し。
次に、頚部右側屈約20°で痛みが増大する部位を触察したところ、第6頚椎高位で棘突起から右外側に約3cmの部位に強い筋緊張を確認した為、緩消法を約40秒施術し筋弛緩を確認した結果、頚部右側屈約20°での痛みは10から5(NRS改変)と小さくなり、頚部右側屈のROMは約40°と大きくなり、安静時痛は10から7(NRS改変)と小さくなった。改善が見られた為、引き続き同部位周辺の筋緊張部位に緩消法を約1分施術し筋弛緩を確認した結果、頚部右側屈約20°での痛みは10から0(NRS改変)と消失し、頚部右側屈のROM制限は解除され、安静時痛は10から5(NRS改変)と小さくなった。
頚部右側面の安静時痛が再び増大しないように、頚部の筋緊張の要因として腰部の筋緊張が考えられる為、腰部側面に緩消法を約15分施術し筋弛緩を確認した結果、腰部側面の押圧深は約2.5cmから約3cmと大きくなり、安静時痛は10から2(NRS改変)と小さくなった。主観により、寝違えて以来ずっと残っていた首の違和感が無くなってすっきりしたと報告を受けた。