約30年前にラクビーで負傷してから続く頚部痛の改善効果

【現症】頚部関節可動域(以下ROM)自動運動にて後屈約１５度、左回旋約20度で共に第5頚椎高位頸部正中から約3ｃｍ左外側周辺に詰まるような痛みがあると訴えており、頚部から背部にかけての倦怠感は常時あるとの事。
【施術と結果】本症例は後頚部左側に痛みを訴えており、痛みの要因を約30年前に頚部を負傷してから起こる筋緊張と考え、触察にて第5頚椎高位頸部正中から約3ｃｍ左外側周辺に強い筋緊張を確認し、同部位周辺の筋に約2分行い筋弛緩を確認した。その結果、頚部ROM後屈約20度、左回旋約25度と大きくなったが、後屈、左回旋時の痛みは変わらなかった。
　痛みの変化がないため痛みの要因が深部の筋にあると考え、腰部側面から腰部脊柱起立筋と思われる筋にかけての筋緊張を確認し、緩消法を約15分行い筋弛緩を確認し、再び第5頚椎高位頸部正中から約3ｃｍ左外側周辺の筋に約10分緩消法を行い筋弛緩を確認した。その結果、頚部後屈約15度、左回旋約20度での痛みが１０から７（NRS改変）に小さくなり、頚部ROM後屈約25度、左回旋約30度に大きくなった。
　頚部から背部にかけての倦怠感は主観で40％減と報告を受けた。痛みの変化は大きくなかったが、30年間多くの施術を受けてきて、初めて効果を実感できる症状の変化があったと患者さんから大変喜んで頂いた。