【患者】40代後半、女性
【主訴】舌の痛みと痺れ、舌先がひりひりする、全身が痛い
【既往歴】アトピー、喘息、気管支炎
【現病歴】半年前に首から下の全身に疼痛が発生した。
その後、頭痛や舌先の痛みも発生し、全身の痛みが強くなり痺れも同時に発生するようになる。
近医内科・整形外科、大学病院へ受診し投薬療法の治療を受けるが症状に変化はなかった。
心療内科に入退院を繰り替えし、さまざまな投薬を試みるが一時的なもので効果なし。
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【現症】静止状態で頚部から下の全身に痺れ疼痛がある。
右半身のほうが痺れは強いようだが大きな差はない。
舌先の灼熱感を常に感じ、就寝にも大きな影響を及ぼしている。
姿勢による痺れや疼痛の目立った変化はない。
【施術と結果】主訴である舌の灼熱感の原因を考える。医師の見立てから舌に病的な状態はないと判断し、舌に続く血管の圧迫による症状ではないかと推測する。
触知による筋緊張が目立つ左上部頚椎周辺の筋へ緩消法を1分行うが灼熱感に変化は現れない。
頚部の筋に無関係と考え、続いて顎周辺を触知すると、舌動脈・顔面動脈周辺の筋緊張が確認できる。
舌動脈・顔面動脈周辺の筋緊張により舌への影響が考えられる。緩消法を舌動脈・顔面動脈周辺の筋へ2分ほど行う。舌の灼熱感がほぼ消失し、舌の動きも滑らかになったように感じる。
舌部の灼熱感が顔面動脈周辺の筋弛緩により効果が示される一例だった。