【患者】50代後半、女性
【主訴】腹筋の筋肉トレーニングした後から首の後ろ側が痛い。
【既往歴】線維筋痛症
【現病歴】20年前に線維筋痛症を発症し全身に激しい疼痛があった。
緩消法と投薬の治療により線維筋痛症は治まり今は日常生活に支障はない。
その後、目立った痛みもなく生活していたが、体を動かすためジムに通い始める。
腹筋のトレーニングの際、過度に首に力を入れて行っていたためトレーニング後、頚部後方に疼痛が発生し現在に至る。
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【現症】筋肉トレーニングの失敗による筋損傷の可能性も考えられる。
触知で頚部を確認、疼痛を訴える頚部後方に筋緊張あり。
頚部前方下部にも引きつったような筋緊張を確認。
触知による熱感はないように思われる。
【施術と結果】頚部に過剰な力みがあるため頚部の可動範囲が狭く、頚部への緩消法を行う際に支障がある。強引な動きによる筋への損傷の可能性を考え、頚部への直接の筋弛緩は控える。
頚椎後部の筋は脊柱起立筋の緊張により起こることもある。特に腰椎上部の筋は頚部との関連が大きいので筋弛緩箇所は腰椎上部に絞る。
腰椎上部の筋へ緩消法を行い頚部の緊張を和らげすことで頚部の力みを解消させる。頚部の力みの低下、頚部の動きの改善を確認できたので、頚部への直接施術へ移る。
頚部後方、頚部前方下部へ緩消法を合計10分ほど行う。頚椎後部の疼痛が10から0(NRS改変)となる。自分自身の過剰な力みによる緊張にも緩消法が有効な症例だった。